神武天皇 (5)「海幸山幸」はヤマトに奪われた隼人の神話か〜二人のヒコホホデミ〜 日向神話とは出雲のオオクニヌシから地上世界(葦原中国)の支配権を「譲られた」天孫ニニギは、降臨すると山の神(大山祇神)の娘・カシツヒメを娶って山の支配権を獲得した。カシツヒメは「火中出産」で隼人の祖(海幸彦)、皇室の祖(山幸彦)、尾張連の祖... 2025.05.08 神武天皇
神武天皇 (4)神武天皇の「天つ表(しるし)」とニギハヤヒの「十種の神宝」 〜物部氏と徐福の子女〜 神武天皇とニギハヤヒは「同族」か皇室の正史『日本書紀』によれば、神武天皇が東征を決意したのは「塩土老翁(しおつちおじ)」からニギハヤヒ(饒速日)が「天磐船」に乗って「東の美地」に飛び降りたことを聞いたことが、きっかけだった。長浜浩明さんの計... 2025.05.05 神武天皇
神武天皇 (3)秦の「徐福」は有明海北部に渡来した 〜徐福の墓は吉武高木遺跡か〜 『史記』の徐福と安曇族海洋学の専門家、亀山勝さんの『安曇族と徐福』(2009年)によれば、始皇帝の命令で不老不死の霊薬を探しに出かけた「徐福」は、安曇族の案内で日本の九州に渡ったのだという。安曇族は春秋時代のBC473年に「越」に滅ぼされた... 2025.05.03 神武天皇
神武天皇 (2)呉の「安曇族」が弥生時代に志賀島を拠点に水田稲作や養蚕を広める 呉から渡来した安曇族「紀元前500年頃」「長江下流域」からイネを携えて日本列島に渡ってきた人たちがいた。それをBC473年に滅亡した「呉」の遺民だと考えた研究者は、過去にも結構いたようだ(斎藤忠、佐々木高明、岡正雄など)。ただ、その呉からの... 2025.05.01 神武天皇
神武天皇 (1)中国大陸から朝鮮半島を経由せずに日本に「稲作」を持ち込んだ人たち 歴博年代への疑問考古学者の石野博信さんは、著書の「第二章 弥生誕生」を、「前500年頃、北部九州の一画で水稲農業が始まった」という一文から始めている(『弥生興亡 女王・卑弥呼の登場』2010年)。もちろん、この道のプロなので2003年に歴博... 2025.04.29 神武天皇
古事記と日本書紀 (11)古事記を書いたのは長屋王か 〜皇祖神タカミムスビは藤原不比等か〜 アマテラスは皇祖神か神話学者の松前健さんによると「確実な記録のうえから、実際にアマテラスを宮廷でまつったことは奈良時代までなかった」という。927年に成立した『延喜式』の祝詞でも、アマテラスは「祈年祭」と「月次祭」で他の神々の一番最後に(皇... 2025.04.26 古事記と日本書紀
古事記と日本書紀 (10)古事記を演出したのは藤原不比等か 〜サルタヒコを殺すアメノウズメ〜 古事記成立の三段階説と藤原不比等国文学者の神田秀夫氏によれば、音訓と字句の分布状況からは、古事記本文の成立過程には「古層(敏達朝前後)」「飛鳥層(舒明朝前後)」「白凰層(元明朝前後)」の三段階が想定できるのだという。(『六国史以前』関根淳/... 2025.04.24 古事記と日本書紀
古事記と日本書紀 (9)古事記と朝鮮神話はなぜ似ているのか 〜檀君神話と天孫降臨〜 騎馬民族征服王朝説と朝鮮神話古事記と日本書紀(本文)の違いには、古事記には「朝鮮神話」との類似や親和性があることも挙げられると、ぼくは思っている。その背景には、例によって「蘇我氏」の存在があるような気がするので、このタイミングで軽く取り上げ... 2025.04.22 古事記と日本書紀
古事記と日本書紀 (8)古事記の出雲神話は「出雲国造家」の神話か 〜古事記が排除する物部氏〜 蘇我氏と出雲国造家のつながり前回の記事では、古事記のもとになったのは、620年に聖徳太子と蘇我馬子が編纂した「天皇記(帝紀)」だという関根淳さんの説を取り上げた。根拠が明確で、説得力のある議論だと思う。だが、蘇我氏の「天皇記」が古事記になっ... 2025.04.20 古事記と日本書紀
古事記と日本書紀 (7)古事記は蘇我氏が書いた「天皇記(帝紀)」か? 〜蘇我倉山田石川麻呂の加筆〜 帝紀とは何かここまで大和(おおわ)岩雄さんや三浦佑之さんの本を読んできて、古事記の序文が平安初期に(太安万侶の同族)「多人長」によって書かれた可能性があることは理解できた。だがどちらの本も、古事記の本文は飛鳥時代には概ね編纂が終わっていた(... 2025.04.18 古事記と日本書紀
古事記と日本書紀 (6)出雲の四隅突出型墳丘墓とタケミナカタの「御柱」 〜ミホススミの悲劇〜 古事記の日本海文化圏日本書紀がスルーする「出雲神話」、なかでもオオクニヌシの大冒険を、なぜ古事記は詳細に描くのか。それを古事記には、律令国家が忘れ去ろうとしている「古層の語り」「古層の神話」を残す意志があるから———といわれるのが、古代文学... 2025.04.16 古事記と日本書紀
古事記と日本書紀 (5)高天原と葦原中国のアジスキタカヒコネとアメノワカヒコ 倭にのぼらない大国主神古事記と日本書紀の大きな違いに、いわゆる「出雲神話」の扱いがある。誰でも知ってる「稲羽の白ウサギ」「八十神の迫害」「根の堅州国」「越の沼河比売との恋」といったオオクニヌシの大冒険は古事記にしかなく、日本書紀は無視してい... 2025.04.14 古事記と日本書紀